物理フォーラムホームページ>過去の話題>量子>環境


(215) 環境
ぼびん
2005年08月20日(土) 03時37分

用語の問題かもしれませんが、整理できないことに、「環境によるデコヒーレンス」と「粗視化」
があります。
この「環境によるデコヒーレンス」は「粗視化」
の一種(粗視化の結果の一形態)なのでしょうか?
また、そもそも粗視化とは物理的なものと異なり
どのような場合にでも正当化できる手法なので
しょうか?(例えば、密度行列で注目しない変数
を積分するというのは、なにか積分される変数に
なる物理量の分布なり(仮定なり)に依存せず
に正当化できるのでしょうか)



(216)  (Re:215)
Re:環境
TOSHI
2005年08月20日(土) 04時59分

  こんばんは。。。。TOSHIと申します。

>用語の問題かもしれませんが、整理できないことに、「環境によるデコヒーレンス」と「粗視化」
>があります。
>この「環境によるデコヒーレンス」は「粗視化」
>の一種(粗視化の結果の一形態)なのでしょうか?
>また、そもそも粗視化とは物理的なものと異なり
>どのような場合にでも正当化できる手法なので
>しょうか?(例えば、密度行列で注目しない変数
>を積分するというのは、なにか積分される変数に
>なる物理量の分布なり(仮定なり)に依存せず
>に正当化できるのでしょうか)

 物理系がその環境(測定装置など)の巨視的体系と相互作用するときには、一般に「リーマンールベーグの定理」などによって干渉項は体系を構成する粒子数が大きい極限で干渉項が0になるということから、「可干渉」でなくなります。これをコヒーレントでない、「デコヒーレント」といいます。

 これは「町田・並木やボームの観測理論」で、よく出てくる普通の話ですが、つまり純粋アンサンブルが混合アンサンブルに変わるという意味では、まさに「粗視化=波動関数の密度行列化=統計物理化」と同じ効果をもたらすことになります。

 「粗視化」というのはアボガドロ数ほどの分子数の系では個々の分子の詳細を視るわけではなく、遠くから俯瞰する=粗視すると、平均量しか視えなくなるという、統計力学の原理ですね。

 干渉が生じない物理量については統計物理にもとづいて平均量のみが観測対象なので「積分=平均化」するのは当然ですね。干渉項は0なので、密度行列が波動関数の2乗絶対値の代わりに存在確率となりますね。

                                   TOSHI



(217)  (Re:216)
Re:環境
ぼびん
2005年08月20日(土) 07時21分

TOSHI様、ありがとうございます。

> 「粗視化」というのはアボガドロ数ほどの分子数の系では個々の分子の詳細を視るわけではなく、遠くから俯瞰する=粗視すると、平均量しか視えなくなるという、統計力学の原理ですね。
>
> 干渉が生じない物理量については統計物理にもとづいて平均量のみが観測対象なので「積分=平均化」するのは当然ですね。干渉項は0なので、密度行列が波動関数の2乗絶対値の代わりに存在確率となりますね。

上記に既に答えは述べられているのかもしれませんが、
粗視化が「人為的に(物理量を選択して)自由に平均化を行って良いものなのか」、「平均化する物理量に満たすべき条件があるのか、或いは状況に応じて平均化して考えることは不適切な物理量があるのか」ということがわかりません。
どの変数(物理量)を遠くからみるかは、少なくとも原理上(数学上)は、どれでも可能と言うことでしょうか。



(218)  (Re:217)
Re:環境
TOSHI
2005年08月21日(日) 18時35分

 こんばんは。。。TOSHIです。

>TOSHI様、ありがとうございます。
>
>> 「粗視化」というのはアボガドロ数ほどの分子数の系では個々の分子の詳細を視るわけではなく、遠くから俯瞰する=粗視すると、平均量しか視えなくなるという、統計力学の原理ですね。
>>
>> 干渉が生じない物理量については統計物理にもとづいて平均量のみが観測対象なので「積分=平均化」するのは当然ですね。干渉項は0なので、密度行列が波動関数の2乗絶対値の代わりに存在確率となりますね。
>
>上記に既に答えは述べられているのかもしれませんが、
>粗視化が「人為的に(物理量を選択して)自由に平均化を行って良いものなのか」、「平均化する物理量に満たすべき条件があるのか、或いは状況に応じて平均化して考えることは不適切な物理量があるのか」ということがわかりません。
>どの変数(物理量)を遠くからみるかは、少なくとも原理上(数学上)は、どれでも可能と言うことでしょうか。
>
>

  干渉があるかないかは、純粋状態か混合状態かという基準です。たとえば、運動量と位置は純粋状態では同時に確定はしませんが、観測と同時に混合状態に転移するとも言えます。

 いわゆる量子的な観測による非ユニタリな現象ですね。観測現象は量子論とは異なるところでおきているというか、まだよくわかっていない領域です。

 古典論で扱えるほど巨視的なら、運動量と位置を同時に観測できる、混合状態です。観測での測定物理量の選択の場合は人為的な選択ですが、一般には、何に関して混合状態であるかは、人為的な問題ではなく、量子的に情報が欠如している物理量について統計的になります。

                                        TOSHI



(220)  (Re:218)
Re:環境
ぼびん
2005年08月23日(火) 17時40分

基本定義の問題かもしれまんせんが、
混合状態、純粋状態というのはある1つの系の状態に
対しての時に混乱します。

1つの系(a or bで状態が完全に指定の場合)
の状態について、
1つの系の状態ベクトルを用意する人の立場からは、
|a>+|b>でも|a>でも|b>でも純粋状態でしょうね。
でもどういう状態を用意したかしらない人(観測する人)の
立場からは何状態となるのでしょうか?
これはやはり、例え|a>とかに用意しても
観測者にとって(a,bに関して)混合状態なのでしょうか?
観測者にとっては観測するまえは混合状態で、
同じ状態を(観測者にとっては同じ状態かはわからないですが)無限回観測したのちに、実は純粋状態だったとなるのでしょうか?

的はずれな質問だったらすみません。



(221)  (Re:220)
Re:環境
TOSHI
2005年08月24日(水) 03時16分

 こんばんは。。。。

>基本定義の問題かもしれまんせんが、
>混合状態、純粋状態というのはある1つの系の状態に
>対しての時に混乱します。
>
>1つの系(a or bで状態が完全に指定の場合)
>の状態について、
>1つの系の状態ベクトルを用意する人の立場からは、
>|a>+|b>でも|a>でも|b>でも純粋状態でしょうね。
>でもどういう状態を用意したかしらない人(観測する人)の
>立場からは何状態となるのでしょうか?
>これはやはり、例え|a>とかに用意しても
>観測者にとって(a,bに関して)混合状態なのでしょうか?
>観測者にとっては観測するまえは混合状態で、
>同じ状態を(観測者にとっては同じ状態かはわからないですが)無限回観測したのちに、実は純粋状態だったとなるのでしょうか?
>
>的はずれな質問だったらすみません。
>
>

  あまり、質問の意味が理解できませんが、たとえば2つのスリットでヤングの干渉実験をするのに「混合状態」を用意する人はいないでしょう。実験して、干渉縞が観測できたら可干渉なので「純粋状態」、すでにコヒーレントでないような光線束ならば「混合状態」でしょうね。

 同じ実験でスリットの手前で、どちらのスリットを通るかをあらかじめ観測したのちに、スリットを通過させれば干渉縞は観測されないのであらかじめ観測した時点で「混合状態」に転移しているといえます。

 こうした具体的なことで1つ1つ考えてみられたらどうでしょうか、私自身はこのあたりに問題意識がないのでうまく説明できなくてすみません。

 たとえば、現実に部屋の蛍光灯をつけても、個々の光線はまったくデタラメに走っているのに、場所的に真っ暗になったり、あるいは無茶苦茶明るくなったりすることはありません。

 これは統計的に位相の相関係数が0に近いので部屋の中は明るいのであり、相関係数が−1なら、逆相関で真っ暗になるということでっすね、位相の相関係数の絶対値が小さいなら非コヒーレントであって「混合状態」=巨視的であるということでしょう。。

                                   TOSHI



(222)  (Re:221)
Re:環境
ぼびん
2005年08月24日(水) 15時54分

TOSHI 様

> こうした具体的なことで1つ1つ考えてみられたらどうでしょうか、私自身はこのあたりに問題意識がないのでうまく説明できなくてすみません。

そうですね。具体的に推論しながら整合性が取れるかを
チェックしないとだめですね。ただ、そういった
場合の問題設定は個人により趣向が偏りがちなので、
TOSHI様のご返信はとても為になりました。

どうも教科書などを読んでも応用が利かない感じです。

丁寧にご返事頂きありがとうございました。

私も質問していて、その質問自体が妥当なのかも
怪しくなってきてしまいました。





Copyright© 2007 FPHYS All rights reserved.