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(299) 運動量保存と運動エネルギー
さんすき
2006年02月19日(日) 08時55分

衝突などの現象で運動エネルギーの保存は成立しないのに、運動量の保存は成立するようです。その理由についてどうやって説明されるでしょうか。

ついでにお尋ねしますが、運動エネルギーは1/2*v^2と表示されますが、2で割る理由は何でしょうか。エネルギーとは距離×力で、力が質量×加速度で、加速度は距離の2回微分だから...という風に議論するのかとは思いますが。

よろしくお願いします。



(300)  (Re:299)
Re:運動量保存と運動エネルギー
かんねん
2006年02月19日(日) 13時34分

さんすきさん,こんにちは。

>ついでにお尋ねしますが、運動エネルギーは1/2*v^2と表示されますが、2で割る理由は何でしょうか。エネルギーとは距離×力で、力が質量×加速度で、加速度は距離の2回微分だから...という風に議論するのかとは思いますが。

 どのレベルで回答して良いのか,いまいちつかめていません。見当はずれならごめんなさい。
 後者の質問については,「エネルギーとは距離×力で、」の部分に答えがあるようです。

 力が加わると距離が伸びますが,加速するので速度が変わります。例えば時間tの間に速度が0からVにまで変化したのなら,加速度は(V/t)で良いですが,その間の移動距離は(V×t)ではありません。もし「速さ×時間=距離」を使いたいのであれば,速さには0とVの平均値である(V/2)と使わなければなりません。

運動エネルギー
 = 仕事
 = 力×移動距離
 = (質量×加速度)×移動距離
 = m×(V/t)×(V×t/

が,1/2を生み出していると考えると,わかりやすくはないですか?



(301)  (Re:299)
Re:運動量保存と運動エネルギー
かんねん
2006年02月19日(日) 14時04分

前者の質問に対する回答(これがどのようなニュアンスを求めておられるのかが微妙なので,的はずれの可能性がある)ですが,

回答1 「エネルギーと運動量は全く別物なので,一方が保存されるからと言って,他方も保存されるとは限らない」

 ヒトの大きさを表現する方法に「身長」「体重」という2つがありますが,「ご飯を食べなかったら体重が減るのに,どうして身長が縮まないのか」という質問に似ているのかもしれません。(厳密にはそうかどうか知らないけど。(^_^;))
 身長と体重は全くの無関係では無いのでしょうけど,しょせんは別の量なので,一方が減ったからと言って,他方も減るとは必ずしも限らないと言うこと。


回答2 「エネルギーは系外に逃げられるので減ったけど,運動量は加えられたり減ったりしていないから変わらない」

 ボールの衝突を考えてみると,衝突の際に,熱や音のエネルギーになって,力学的エネルギーは系(この場合は2球だけの世界)の外に逃げてしまいます。しかし,運動量は力積によって変化します。一方の球が,他方の球に力積を及ぼしているだけ(=内力しか働いていない)ので,双方の運動量の合計は何も変わらないと言うこと。ただし,外力が及ぼされれば運動量も変わりますし,先の例に示した音や熱を空気の分子レベルにまで言及をするのであれば,系内の運動量は変わるでしょう。ただ高校物理程度のレベルならば,熱や音のエネルギーの発生は扱っても,空気の分子の運動量は扱わないので,系内の力学的エネルギーは減少しても運動量は保存されています。どこの範囲に限定をおくかの問題で,範囲の限定を解けば,結局エネルギーも運動量も保存されているのです。

これで回答になっているでしょうか?



(302)  (Re:299)
Re:運動量保存と運動エネルギー
TOSHI
2006年02月19日(日) 21時04分

  こんばんは。。。TOSHIと申します。

>衝突などの現象で運動エネルギーの保存は成立しないのに、運動量の保存は成立するようです。その理由についてどうやって説明されるでしょうか。
>
>よろしくお願いします。
>

  すでに、かんねんさんの丁寧な回答がありますが、私からも、補足としてお答えしておきます。そもそも質問者のレベルが不明なので、かんねんさんのお答えでいいのかどうか、わからないということもあります。

 一般に、分子など微視的レベルまでいくと熱振動や電気、磁気などにもエネルギーだけでなく熱の運動量とか電気、磁気の運動量などもあるので運動量もエネルギーも共に厳密に保存法則が成立します。

 しかし、巨視的な熱は、力学的には摩擦などがそれに相当しますが、エネルギーは散逸して力学的には失われていくのに対して、巨視的運動量のほうは持ってないことが多いのです。

 なぜなら、一般に熱は微視的な振動(あるいは分子運動)であって、熱振動周期や分子同士の衝突時間などのレベルからみると、ふつうの衝突程度の時間間隔のレベルはそれよりはるかに大きく、運動量は向きを持ったベクトルとしてではなく、時間平均された向きがないもの、つまり運動量としては0であると考えてよいからです。

 それゆえ、衝突などで熱によって運動量が減少するということはない、と考えてよい場合が多いのです。

 衝突で運動量が失われないとおっしゃっていますが、それはむしろ2体衝突の特別な場合で、一般に球が壁や床などと衝突した場合、反発したその球の運動量は保存するどころか向きが逆、つまりマイナスの値に変わってしまいますね。

  その運動量は壁を押して壁が振動して吸収してしまったわけです。まあ、壁から受ける力は外力なのでその力積を受ければ球の運動量は保存してないと見えても別にいいわけですがね。。。。。

 でも壁を地球全体と考えるならば、ほんの微小だけ地球が反対向きに動けば2体衝突と同じで総運動量は保存しているという考え方もできます。

 エネルギーの保存が力学だけでなく、熱や電気などを含む物理的に総体的なものであるのに対して、巨視的物理学ではニュートンの第2法則と第3法則(作用・反作用)というのは力学だけで閉じています。

 運動量=力積というのは質量×加速度=力を時間積分しただけですので、それと作用・反作用を組み合わせた運動量保存則というのは単に、ニュートンの法則の時間積分形ですから、非常に基本的で、たとえ摩擦があっても作用反作用で打ち消しあう限りは成立するわけです、つまり運動量保存則というのはニュートンの第2、第3法則と同等のレベルです。

 それに対して、仕事量=エネルギーのほうは、摩擦というのがあると必ず進行方向と逆向きに働きますから、ある経路をあるスピードで1周してもとの位置に戻ったとき必ず、マイナスの仕事をします。というわけでエネルギーは摩擦熱として失われたものを加えないと保存しないわけです。

 実は、その熱というのは分子レベルの振動の運動エネルギーなどに変わっているわけですね。

  エネルギー保存法則もニュートンの法則の時間積分形には違いないですが、力×速度を時間積分するときに力が位置座標だけの関数で、特に位置エネルギーの空間微分で書けるなら保存力といって1周回ると仕事は0で位置エネルギーはもとにもどりますが、摩擦は速度の向きが違うだけも、その力の向きが変わりますから散逸関数といって位置だけでなく速度の関数ですから、摩擦があるとそうはいきません。

 そこで、散逸力があるとニュートンの法則に速度を掛けて時間積分しても保存法則が成立しない、という式がでてくるはずです。

                                        TOSHI





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