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(106) 蒸気圧と沸騰
ごまちゃん
2005年08月12日(金) 12時03分

私は高一です。今、沸騰についての自由研究を行っています。しかし、沸騰と蒸気圧の↓の疑問がわかりません。
 教科書などには、「沸騰は、蒸気圧と外気圧が等しくなったときに内部からも蒸発が起こる」と書いてありますが、蒸気圧は気液平衡状態のときの蒸気の圧力なので、沸騰は水の量が減らないことになってしまうのではないですか?
 どの参考書や本を読んでも、いまいち蒸気圧が理解できません。できれば、蒸気圧について難しい説明でもいいので詳しく教えてください。



(109) (Re:106)
Re:蒸気圧と沸騰
M&M
2005年08月12日(金) 18時11分

ごまちゃん さん、こんにちは。

>私は高一です。今、沸騰についての自由研究を行っています。しかし、沸騰と蒸気圧の↓の疑問がわかりません。
> 教科書などには、「沸騰は、蒸気圧と外気圧が等しくなったときに内部からも蒸発が起こる」と書いてありますが、蒸気圧は気液平衡状態のときの蒸気の圧力なので、沸騰は水の量が減らないことになってしまうのではないですか?
> どの参考書や本を読んでも、いまいち蒸気圧が理解できません。できれば、蒸気圧について難しい説明でもいいので詳しく教えてください。

 よく似た質問が過去にありました。2004年3月8日に、高2のほそかわ さんから「沸騰について」という質問があり、それに答えた過去ログがありますので、あなたの疑問に答える前に、一度読んでもらいたいのです。その上で再度疑問に思った点を質問して下さい。ここをクリックして。
http://sci.la.coocan.jp/fchem/log/rika/3924.html



(110) (Re:109)
蒸気圧について■
ごまちゃん
2005年08月12日(金) 18時26分

M&Mさん、その過去ログを読ませていただきました。大変、参考になりました。しかし、私の理解能力の悪さのせいで、まだ理解できないところがあります。
 「沸騰は内部から蒸発する」ということは、液体の底から発生する気泡は、真ん中にできる気泡よりもさらに外圧を受けて、蒸気の圧力が真ん中の部分よりも大きくなると思うんです。
 真ん中と底にできている気泡の蒸気の圧力は違うということになるはず?この場合、蒸気圧とはどの部分(どこ)を示しているのですか??
 わかりにくい文章ですが、よろしくお願いします。



(113) (Re:110)
Re:蒸気圧について■
リリーマルレーン
2005年08月13日(土) 01時55分

> 真ん中と底にできている気泡の蒸気の圧力は違うということになるはず?この場合、蒸気圧とはどの部分(どこ)を示しているのですか??

1気圧(760mmHg)=10m水柱ですから、10cmの高さまで水を入れたビーカーで沸騰させていると水圧の差はせいぜい1%程度(10cm水柱)ですが、温度分布のほうはかなり差が大きいと予想されます。ビーカー内で100度の場における蒸気圧が760mmHgということになるのではないでしょうか。
ビーカー底面から加熱していると、対流によって熱が運ばれているわけですから、対流が起こるような温度勾配が存在するわけで、1%の水圧の差よりも全体の温度差が小さいとは考え難いです。(1気圧に対する1%と100度に対しての1%を比べても意味はないのですが・・・)

沸騰に関しては、以下の考えをしてみました。

100℃未満では、蒸気圧が1気圧よりも小さいので水の表面だけから大気という自由空間に気化するわけです。水面より下方では1気圧の液体に周囲を取り囲まれているので、1気圧以上に蒸気圧が上がらないことには気化できません。したがって内部から気泡が沸き上がるには100度以上の温度が必要です。

いったん気泡になった水蒸気は周囲の液体と等しい圧力(<1気圧+10cm水柱)を保ったまま上昇していき、仮に周囲の温度が沸点よりも低くなっても、凝固熱を放出し、多少気泡は小さくなるものの100℃を維持できるのではないでしょうか?

ビーカー底面では10cm水柱だけ高い圧力(したがって100度よりも高い温度が必要)ですが、水面ではちょうど大気圧になるので、100℃、1気圧の水蒸気に満たされた気泡が水面上に存在することになります。



(114) (Re:113)
蒸気圧について■
ごまちゃん
2005年08月13日(土) 11時48分

 リリーマルレーン◆dVSZ/enu さん、おかげで大分蒸気圧について理解できました。本当にありがとうございます!!
 ただ1つだけ↓について質問があります。
いったん気泡になった水蒸気は周囲の液体と等しい圧力(<1気圧+10cm水柱)を保ったまま上昇していき
 この部分で、気泡が上昇しているとき、気泡は気液平衡の状態になっているのですか?
 ↑の部分がわかれば、蒸気圧がなぜ気液平衡の蒸気の圧力なのか理解できそうです。



(115) (Re:114)
Re:蒸気圧について■
リリーマルレーン
2005年08月13日(土) 12時24分

>気泡が上昇しているとき、気泡は気液平衡の状態になっているのですか?

うっ、難しい点を的確に突いてきますね。(^^ゞ

平衡状態になるほど充分に長い時間をかけてゆっくり気泡が上昇するのではないので(あくまでも想像です)、上昇中は平衡にはなっていない可能性が高いと思います。



(117) (Re:115)
Re:蒸気圧について■
M&M
2005年08月13日(土) 15時37分

M&Mです。
 ごまちゃん さんにお願いします。スレッドをぶつ切りにしないように、必ずコメントの形でおねがいします。たとえば、#110は#109へのコメント、#114は#113へのコメントと続けて下さい。さて、まず#110と#113への私の意見です。
#1110 ごまちゃん
> 「沸騰は内部から蒸発する」ということは、液体の底から発生する気泡は、真ん中にできる気泡よりもさらに外圧を受けて、蒸気の圧力が真ん中の部分よりも大きくなると思うんです。
 真ん中と底にできている気泡の蒸気の圧力は違うということになるはず?この場合、蒸気圧とはどの部分(どこ)を示しているのですか??

 過去ログの中でも述べていることですが、大気圧下で沸騰している状態は 真の平衡状態とはいえません。厳密に言えば「定常状態」といって平衡状態とは区別されます。沸騰の定義は、「加熱液体中の蒸気泡が連続して発生する現象」 というのがより正確です。外圧が正確に1atm (=101325Pa)の下であっても、沸騰している水の温度は水の沸点ではありません。熱平衡状態ではないのです。温度は多分沸点より数℃高いはずです。したがって、これを沸騰点と呼んで、沸点とは区別することがあります。一般に沸点とは「液体と1atm のその液体の蒸気相が共存している熱平衡状態」をいいます。沸騰している状態ではないのです。
 それで、上の質問の場合、容器の底を加熱している場合で考えると
1)液相の温度は均一ではない。対流はあるにしても底の方が温度は高い。
2)静水圧を考えると、圧力も一定ではない。底の方が圧力はわずかに高い。(せいぜい数10■の高さの容器の場合です。)
そうであるとすれば、ごまちゃん の疑問の通り、底で発生する蒸気泡の蒸気圧の方が、容器の中間で発生する蒸気泡の蒸気圧より高いはずです。しかもどちらの蒸気圧も1atm より高くなっています。しかも温度は沸点よりはどちらも高くなっています(過熱状態)。底でできた気泡は リリーマルレーンのお考えとは少し異なりますが、液中を浮上するにつれて水圧が低くなりますから膨張するとともに、その気泡をめがけて蒸発しますので、水面付近では大きな泡になるはずです。したがって蒸気圧も一定ではありません。
 さらに、過去ログで述べているように、水圧の問題とは別個に液体内で蒸気の気泡ができるためには核形成が必要であり、そのためには沸点以上の温度(過熱状態)になることが避けられないのです。
 以上のことから、#114 の疑問
>気泡が上昇しているとき、気泡は気液平衡の状態になっているのですか?

についてのお答えは、リリーマルレーンのお答えと同じく、「気液平衡の状態ではありません」 ということです。



(118) (Re:117)
Re:蒸気圧について■
リリーマルレーン
2005年08月13日(土) 16時49分

M&Mさん、どうもありがとうございます。

摂氏100度の恒温状態で閉鎖された空間に水だけを存在させたような場合を想定すると、ちょうど1気圧になっていて、平衡状態も完成していると考えていいのでしょうか?
具体的には、真空のチェンバー内に半分程度の水を入れて、全体を100℃に保つような状況を考えています。



(124) (Re:118)
Re:蒸気圧について■
M&M
2005年08月13日(土) 19時29分

リリーマルレーンさん、こんばんは。

>摂氏100度の恒温状態で閉鎖された空間に水だけを存在させたような場合を想定すると、ちょうど1気圧になっていて、平衡状態も完成していると考えていいのでしょうか?

>具体的には、真空のチェンバー内に半分程度の水を入れて、全体を100℃に保つような状況を考えています。

そうですね。その場合は平衡状態です。定容密閉容器(剛体)内で平衡状態を実現するのは比較的容易ですね。しかし、この場合は沸騰は起こらないし、また液体の水は必ず残っていなくてはなりません。100℃という温度のもつ意味は、水蒸気圧がちょうど1atm なるということだけで、その他の温度でも平衡状態にはなるわけです。蒸気圧が異なるだけです。
 外圧一定(1atm)の下で気液平衡を実現するのは技術的に大変困難です。これができれば真の沸点が決まります。水の沸点が温度定点からはずされた最大の理由は、沸点を実現することが技術的に難しいことあったと聞いています。
 定圧下での沸点のもつ意味は、沸点においては液→気、あるいは気→液の相変化が可逆的に、つまり平衡状態を保ちながら起こることにあります。いいかえると、沸点においては相変化のギブズエネルギー変化ΔG=0ということです。

PS #117 に
>沸騰の定義は、「加熱液体中の蒸気泡が連続して発生する現象」

と書いてしまいましたが、「加熱液体中」というのは誤変換でした。「過熱液体中」と訂正します。>>ごまちゃん さん、リリーマルレーンさん





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